【協力隊ブログ】新宮のイノシシとシカ

<青木 隊員>

こんにちは、協力隊の青木です。
今年は例年と比べて気候が暖かく、雪が降っていません。狩猟は、獲物の足跡をたどって探すのですが、雪が降らないと足跡が残らないので、どこにいるかが分からず苦戦しています。
同様に、罠を仕掛ける場所探しも、シカやイノシシがどこを歩いているのかわからないため難しいです。そこで、 人間がいないとき、どういった動きをしているのか探るべく、トレイルカメラを山に仕掛けてみました。

2mぐらいの範囲で、動くものがあるとセンサーが察知し、写真と動画が撮れる優れものです。 ただ、木の枝などにも反応してしまうので、仕掛けるときに注意が必要でした。

写真は民家のすぐ近くで撮影できたシカの親子です。立派な3段の角を持ったオスのシカも写っています。
一般的に、秋の発情期が終わると、シカのオスとメスは別々のグループに分かれて生活するそうですが、このグループはオス1頭、メスとその子供の家族で行動しているようです。意外な生態を観察することが出来ました。

次の写真に写っているのはイノシシです。
イノシシの右側に移っている杉の木が幅1mほどありましたので、この個体は体長1m以上はあります。かなり筋骨隆々とした体つきをしています。猟師さんに見てもらったところ、80㎏はあるのではないかとのお話でした。

実はこのイノシシの足元から1mほど下に私が罠を仕掛けていました。あまりに大きいイノシシなので、これがかかっていたらと思うと、少しヒヤリとしました。このような大きい個体に対応するためにはどうしたら安全か、工夫を重ねていきたいとこの画像をみて思いました。

今年は新宮地域にイノシシが多いようです。秋から時間がたっているというのに、山の中にはドングリや椎の実などの餌になる木の実が残っているのが要因かもしれません。
ただ、一つの地域にたくさん動物が集まると病気が発生するようで、箱罠に疥癬(かいせん)という病気にかかったイノシシが掛かりました。これは、 ヒゼンダニという種類のダニが皮膚に寄生して、毛が抜け落ち皮膚がガサガサになる病気です。地域の人のお話から、他にも何匹か毛の抜け落ちたイノシシがいるようです。
こうした弱った個体は縄張り争いなどに負け、山の中で餌をとれず、人里に降りてきて農作物に被害を及ぼしやすくなります。 疥癬は人間や、犬・猫といったペットにも感染するので処分しなければなりません。

本格的に狩猟を初めて約3か月ですが、野生動物の持つ様々な面が見えてきました。 もっと動物や狩猟について知識を深めていきたいと思います。