こんにちは、新宮地域の青木です。
現在、地域の人たちからサル対策用の電気柵について設置相談を受け、資材や設置方法のコーディネートを行っています。
サルは電柱や電線、庭木を伝って侵入してくるので、被害を防ぐのが大変です。
相談があったこの畑では、いつもサルが電線を伝ってやってきては、畑の周りをうろつき、手の届く範囲の野菜を食べてしまうので、捕獲してほしいとのことでした。
防獣ネットを重ねて畑を覆っているのですが、経年劣化とサルが来るたびに揺らして引っ張るので、垂れ下がりボロボロです。いつサルが入ってもおかしくない状態でした。
一度、ネットを噛みきり、引きちぎることを学んでしまうと何度でもチャレンジにして中に入ろうとするので、厄介です。
大型の囲い罠での捕獲は時間やコストがかかりますし、くくり罠では1匹づつ根気よく捕獲するしかありません。
サルは群れで行動し、学習能力が高いので、群れごと捕獲しないと同じような被害が発生してしまいます。
捕獲による被害の減少は本当に一時的なものでしかないので、畑の持ち主の方に捕獲よりも電気柵の導入をお勧めし、対策支援を行いました。
何重にもネットを重ねていたので、取り外して整地するのがかなり大変でしたが、余分な鉄筋や傷んだネットを取り除き、だいぶんすっきりしました。
地域の人の協力で、作業がずいぶんと進みました。また、電気柵の導入を考えている他の人も見学に来て、設置方法や資材についてお話ができたので対策機運の高まりに貢献できたと感じています。
鉄筋を切っている時の様子。
鮮やかな火花がきれい。
この3年間でいろんな道具を使えるようになりました・・・
※写真はよく販売されている電気柵のポールにステンレス針金を巻き付けたもの。
手前が最初に作ったもの、奥が後から作ったもの。どんどん針金を巻くのが上手になっています(笑)
このように電気柵の線を引くポールや忍び返しに針金を巻き付けておくとサルは棒状のものを手で掴む習性があるので、確実に感電させることができます。
今まで電気柵をしていても効果がなかった方は是非お試しください。
ひと昔前、資源の利用のために人手の入る見通しがきいた『里山』は動物の住む山側と人間の住む側との境界を保っていました。
高齢化や過疎化による人手不足によって草木が生い茂った藪が増え、野生動物の住処との境界があいまいになっている現在、人間の側が今まで以上に意識的に境界を設定することが大切ではないでしょうか。
捕獲と殺処分よりも有効な対策があり、被害が防げるということを広めることが駆除数と被害を減らす一歩につながると考えています。