<青木 隊員>
今年の新宮町内では、例年よりイノシシが多く出没しているようで、庭や道路を掘り返される被害が多発し、住民の皆さんは大変困っています。
そんな中、1月末頃にイノシシに庭を荒らされて困っている方から罠の設置依頼がありました。現地を確認すると、家の玄関から3~4mほどしか離れていない場所にまでイノシシが来て、土を掘り返していました。大事な庭木が台無しになってしまった上、おばあさんが一人で暮らしているため、偶然イノシシに遭遇する可能性を考えると心配な状況でした。
早速罠を仕掛けると、仕掛けてから4日でイノシシを捕獲することが出来ました。50㎏ほどのメスのイノシシでした。足跡を見てみると、まだ他の個体が何匹かいる様でしたので、今後もこの周辺のパトロールを継続したいと思います。
私が罠猟に出る時は、様々な装備をしていきます。リュックに罠の本体を3~4個、のこぎり・シャベルなど罠を仕掛けるのに必要な機材と、誰がどこに罠を仕掛けたか分かるように狩猟者登録証の番号・住所・氏名・連絡先を記入した標識を持っていきます。
獲物を捕獲するためには罠を仕掛ける場所が重要で、今回のように家のすぐ裏に出没しているような場合でも、どこから、どのくらいの大きさの獲物が侵入しているのか、足跡などの痕跡を辿りながら確かめます。場合によってはトレイルカメラを設置し、獲物の動きを観察したりもします。
また、獲物がかかった時にどのような暴れ方をするかを予想し、その後の処理を安全に出来るような場所取りも考えなければなりません。はじめてのところは予想をするのが難しく、罠を設置する場所を決定するのに2~3時間、一つの罠を仕掛けるのに1時間ほどはかかります。
最初は山を歩くだけでへとへとになり、罠の設置が出来ずに帰ることもありましたが、最近は筋力がついてきたようで一度に何個も罠を設置出来るようになりました。
猟期が3月15日に終了するため、狩猟が出来るのもあとわずかとなりました。最後まで頑張りたいと思います。