こんにちは、新宮地域の青木です。
ぽかぽか陽気が続いて桜も満開です。
市中(いっちゅう)の『馬場の桜』もちょうど満開とのことです(^^♪
さて、狩猟期間も終わり、一段落ということで、今年度捕獲した中で、一番大きかったイノシシの頭骨を標本にしてみました。
このイノシシは2月に捕獲されたもので、体長約140㎝、体重130㎏ほどの小山のように大きなオスイノシシでした。牙も長く、とても立派です。
こうして牙が長く伸びるのはケンカをするオスだけで、メスはあまり伸びません。
12月末から3月ぐらいまでのイノシシが発情する時期にはオス同士で縄張りやメスをめぐって戦うので、体には大きな傷跡がたくさん残っています。
牙が折れていることも珍しくありません。
長く伸びている下顎の牙は、噛み合わさると上顎にある短い牙に擦れて、常にピカピカに研がれています。
牙のエッジはペーパーナイフのように鋭く研がれており、大けがをする猟師や猟犬がいるのもうなずけます。
食肉処理後の頭をとっておき、大きな窯で茹でて骨の中の脂や肉片を取り除きます。
そして、そのあとは入れ歯の洗浄剤(ポリデント)につけ置き、酵素で肉のたんぱく質を取り除きます。
つけるお湯の温度を40度くらいにし、1日ほど漬けおくとよりきれいにすることができました。
最後は薄いハイター(塩素)で消毒と脱色を行いました。
まだ少し色が残っているので、もう一度くらいこの処理をしようかなと思いますが、博物館にあるような骨の標本ができました。
この後は日光にあてて完全に乾燥させ、外れてしまった骨や歯など細かいパーツをボンドなどで固定し、完成です。
狩猟で手に入れる頭骨は銃弾などで傷が入るものが多く、きれいな状態の頭骨はばかなか手に入りません。
骨の標本づくりは一度してみたかったので、思っていたよりもきれいに出来上がったので満足しています。